語録集
故宮澤秀巖先生が遺したお弟子様への師事語録の一部。
美術品、芸術品の定義。書の次元の完成。現代日本において失われた教養への警鐘など、
秀巖先生の書に対する探究・究明の姿勢が窺えます。
「書の次元値」
一次元「活字の段階」静止の状態。
二次元「筆記の段階」遅速の動きを有するも、之では書き方の段階で有って、一次元・二次元のものでは文字としての段階で書とは言えない。文字は読むもの、書は見るもので有る。故に格調高きものでなくてはならない。
三次元「立体的」遅速浮圧の関係を生じさせる。此処から書として評価される段階に入るものなるも、此処で始めてお習字の段階の世界に到達するので有る。
四次元の書は三次元の書に時間的空間関係をプラスして創生。四次元の書から美術品で有る。
五次元の書は磁気電波を発生し躍動して空中間を飛動する。芸術作品とは此の段階を言う。
六次元の書とは生命体現象を自ら興し、宇宙空間に於いて、他との対応を可能にする力を発生し、発揮する事が出来る。
四次元迄は技術の書。五次元からは哲学的、精神(六根清浄の心)的領域界上に於いて、妙の究極追求究明に撤して始めて成し得るもの。人間の力では之が最終限界で六次元以上の創作創造は不可能で有る。
以下創造法に就いては口伝。