語録集
故宮澤秀巖先生が遺したお弟子様への師事語録の一部。
美術品、芸術品の定義。書の次元の完成。現代日本において失われた教養への警鐘など、
秀巖先生の書に対する探究・究明の姿勢が窺えます。
「丈」
人には自分の丈以上何も見えず、理解し得ないのが現実。其の見えない目で物を見るのが凡人。自己の丈を知り、其の丈を高めむとする事を第一義とする。書の道を学ばむとするに、清く正しく尊い求道心を要す。利を得んが為の競いの書や技のみの書になってはならない。分間布白、実は虚に、虚は実に、互いの領域とカと分を守る。文字の構成、作品の創生、すべて和を基礎とする。